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■ 決定版「宇野千代の世界」発刊

 味わい深い小説だけでなく、生き方や語録などによって今なお多くのファンを魅了している宇野千代のすべてを紹介する「決定版宇野千代の世界」がこのほどユーリーグ社から発行された。生誕百十年、没後十年を記念して特別企画されたもので、オールカラー印刷、千代の魅力を満載している。
 巻頭を満開の桜に彩られた錦帯橋の写真が飾る。「さくらの記憶は、生まれ故郷、岩国のさくら並木からはじまります」で始まる一文「私にとって桜は幸福の花」が掲げられている。
 第一パートの「書いた」では、75年に及ぶ作家人生の始まりから晩年までをつぶさにたどり、梶井基次郎、川端康成、谷崎潤一郎、林芙美子らとの交流をはじめ、代表作「おはん」にまつわるエピソードなどを多くの写真と共に紹介している。
 また、「私はあらゆることを忘れている。許し難い、と思われている自分の罪も忘れ去っているのと同時に、自分が人からこうむった辛かったことも、忘れている」など、折に触れて語られた宇野千代の含蓄ある言葉が集められた「言葉の処方箋」のページもある。
 90歳のとき、「新潮」に発表した小説「一ぺんに春風が吹いて来た」を特別掲載したほか、佐伯彰一や瀬戸内寂聴、萩原葉子、宮尾登美子が思い出を語っている。
 第二パートの「創った」では、着物デザイナーとしての宇野千代の美学、ファッション誌「スタイル」の発刊と反響などを美しい着物のグラビアと共に紹介している。
 第三パートは「恋した」。恋多き人として多くの逸話を残す宇野千代が愛した尾崎士郎、東郷青児、北原武夫にスポットを当て、その人と魅力について語る。
 第四パートは「生きた」として、小説を書くことだけではなく、生きることにも意欲的で、いつも感動を行動に移していた宇野千代の料理や美容、おしゃれ、趣味などを自身の言葉で生き生きと紹介している。
 ふるさとの味として、「大平」「岩国鮨(ずし)」にもページが割かれているほか、「故郷岩国に宇野千代を訪ねる」として宇野千代生家や岩国町の写真を掲載した。
 公私にわたって千代と約40年、生活を共にした秘書の藤江淳子さんのインタビューも掲載されている。145ページ。1800円。
(平成18年3月25日)



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